現代中国における総合格闘家の苦悩

BSのNHKで放映していたのですが、現代中国において総合格闘技を広めようとしている人物に焦点をあてた番組です。

総合格闘技は、日本ではなじみのあるスポーツです。
プロレスというショー的なものではなく、蹴り・パンチにとどまらず組んでの関節技などを惜しみなく使う対戦スポーツです。

中国ではなじみがないために、試合はどうしても異種格闘技の試合になり、その都度、試合のルールをお互いに確認する必要があります。

中国で総合格闘技のジムを始めた彼は、総合格闘技の力を示したいために、中国に現存する伝統武術に対しての口撃が多くなります。
つまり、中国の伝統武術は実践的ではなく、実践においては役に立たないものだという主張です。

しかし、中国の伝統武術には、少林寺拳法や太極拳などがありますが、今は愛国心と結びついて巨大な勢力になっています。
そのためか、彼の主張は時の政府によって、伝統文化を破壊するものと見なされています。

彼自身は、実践的な格闘技を目指していただけですが、それが今や反「愛国者」というレッテルが張られています。

本当に強いものは誰か、本当に強い格闘技は何かを探求した結果が、これです。

伝統武術も、ネットで自分たちの技のすごさを配信をしています。
例えば、外国人の大男(ここがポイントのような気がします)が太極拳の師範(或いは団体の指導者)を押しているのに、びくともしないという映像です。
気功の先生が触りもしないで弟子たちを次々と投げ飛ばす次元でしょうか。
*ゴルフ番組でプロを目指す女性たちを指導しているコーチの訓練方法を紹介していました。生徒を真っ直ぐに立たせ、手の平を肩先近くに置いて、前に向けて立つ姿勢で、コーチが手の平の人指し指か中指を抑えた時に、手を前に押し出せるかを試したのですが、5人いたうちの二人は全然前に押し出すことができませんでした。残りの内の一人は、手の平の指付近を抑えると、前に押し出すことができません。
コーチ曰く、人それぞれに力の押し出すポイントが違うので、タイプ別の練習をしないといくらやっても上達しないということです。
同じことかも知れませんが、昔お祭りで見た大道芸の中に、護身術なるものもありました。
それは、力が強い人が自分を持ち上げようとしても相手に指一本を触れるだけで持ち上げることができないというものですが、なんのことはない、相手に対し腕を伸ばして触る状態で持ち上げろというのですから、相手は腕を伸ばしたままの状態が強制されます。これでは力を発揮することができないのです。それと同じような仕組みを先の太極拳の指導者はやっているのでしょう。

これに彼が噛みつきました。
あんなのはインチキだと指摘をしたら、なんと!名誉棄損で訴えられて敗訴しました。
しかもその指導者が彼と対戦するといいながら、その対戦場に突如警察が来て試合ができなくなる事態が起きたのもご愛敬というところでしょうか。

現代中国の伝統武術は、今や政府に守られてどんどん腐臭をだしているようです。

僕は太極拳をやっていますが、実践的なものかと言えばそんなことを考えたことはありません。
確かに、武術的要素が歴史的にあったことは知っていますが、ニ四式太極拳そのものは戦後に作られたものです。
日本のNHKのラジオ体操のような国民の健康増進のために作られたのです。
(台湾には、蒋介石軍が兵士のために作った太極拳が伝えられています)
太極拳も昔からありましたので、その伝統を繋げようとした太極拳の指導者たちは、一時期、その考えは科学的ではないとして「自己批判」を強要されました。

それが今や中国武術は「愛国心」の発揚の一役を担っているのです。

もちろん、伝統と「愛国心」は結びつきやすいのですが、一時期は科学的ではないとされ「自己批判」も強要されたのに、その変わりようには驚かされます。

総合格闘技という先進文化を取り入れようとした彼は、今では反「愛国者」扱いです。

こんなところにも、現代中国の変化を見て取れるとは・・・。

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