乗馬日記・・・欠点は長所に、長所は欠点に

習い事に慣れると、その次は上手になりたいと言う欲求です。
もちろん、目指すべき先がどこにあるのかによってその道のりは違ってきます。

乗馬日記と書いていますが、ゴルフの話からします。
ゴルフを始めてから、いろんなレッスン本を読んでいて、田原という人の本に出合いました。
社会人として自動車販売の営業をしていて、後にプロのトーナメントまで出場したのです。
確か1970年代のANAオープンでの2位が最高成績で、優勝は青木プロだったそうです。それが唯一の勲章だそうです。
でも、周囲のプロとの飛距離の違いにトーナメントプロを断念し、レッスンプロの道に進んだのです。

そういう彼の本で書かれていたのが、ゴルフが上手いとはどんなことかという質問です。多くの人は何と答えたのかというと、スイングがきれいとかプレーマナーがいいとかそんな事ではなく、スコアがいいこと=ゴルフが上手いことだと答えていたのです。

あまりに露骨な答えのようですが、ゴルフは上がってなんぼのスポーツです。どんなスイングをしようがどんなクラブで打とうが1打は1打です。そのことの意味を考えるゴルフとして展開しています。

田原という人は、子どものときからとか高校・大学のゴルフ部出身とかではなく、社会人になって仕事上でも必要だからと勧められて始めたら、皆よりもいいスコアがでたので面白くなってはまりプロを目指したという異色の方です。

彼のゴルフの考え方は、上がってなんぼのスポーツであるゴルフを逆転の発想で捉えたというのがユニークな点です。
それは、パーオンを目指すグリーン上からティ―グランドを見るというものです。
パーオンとはパー4のホールであれば2打でグリーンに乗せることを目指します。パー5なら3打です。
例えば、パー5ですが、素人がプレーする普通のコースなら440~510ヤード程度の距離です。とすると、パーオンを目指すなら500ヤード÷3打=1打平均170ヤード以内を飛ばすことができれば届くのです。

もちろん、素人がパー72のラウンドなんかを目標にはしません。
最初は100切りを目指し、次にボギーでのラウンド(1ラウンド90でのプレーです)を目指します。
ボギーオンならば、500ヤード÷4打で=1打平均130ヤードを飛ばせばボギーオンができます。
とすると、ゴルフのための練習方法は、いつでも1打150ヤードを飛ばすことができるようになれば、1ラウンド90で回ることが見えてくるというものです。

田原という人の本を読んで40代からゴルフを始めた身体の硬く筋力のない僕は、ものすごく気持ちが楽になりました。
しかも飛ばないゴルフでも練習をすればボギープレーが簡単に手が届くのです。平均的なスコアは90代前半でしたが、一度だけ79を出したことがあります。それも、この田原プロの考え方によるものです。

つまり、飛ばないゴルフという欠点は、簡単にボギープレーを目指せるという長所でもあったのです。

それでは、その考え方をなんとか乗馬のレッスンに活かせないのかというのが、56歳から乗馬を始めた僕の狙いです。
乗馬では<座り>が一番大事だと言う人がいますが、56歳から始めた僕にすれば、身体で覚えるというのはなかなか難しい分、なんとか頭で覚えれることは出来ないのかと思ったのです。

乗馬での問題は、まず騎乗する側の人間の問題です。
馬の高さにビビる人がいて、そこにつまづくと無理ですね。次は、馬のスピードです。僕は仕事でバイクに乗っていたので、風を切る体感からすれば馬もバイクも同じようなもので、馬の方がゆっくりと感じます。

ここが一番重要な部分ですが、馬の習性による馬の動きです。

つまり、馬は危険な兆候をいち早く察知し、その場から逃げる習性を持っています。そのために、耳を目も四方八方への注意を怠りません。その習性による馬の機敏な動きを騎乗者は突然に感じることがあります。
ここで馬の習性を怖がると前に進みません。
つまり、注意を怠らないようにと神経過敏になるより、馬とはそんな動物ですと認識して、まあ落ちることもあら~なという気持ちで対処するのが一番です。

もちろん、そういう馬の変化を常に感じることはしていますが、実際の馬の機敏な動きは人間が感じるよりもコンマ何秒も早いので、あれって思っていたら、馬は自分の遥か向こう(そう20~30メートル先にいた)にいて、騎乗していた自分はまだここにいたという事がありました。つまり、落馬です。

ですから、馬にはここは危険な物もなく安全な場所ですよと感じる鈍感力を期待しつつ、騎乗者である自分が危険をいち早く察知して馬に的確な指示を出しますよという安心感を、どう馬に伝えるかをいつも考えています。

そのための<座り>であり、手綱であり、扶助なのだと思います。

そこで、今度は乗馬で上手くなるとはどんなことですかという質問を考えてみます。
おそらく、ほとんどの人が馬を自由自在に扱えるようになること、あるいは自分の思い通りに馬を動かせるようになること、そんな答えが出てきそうです。

馬を動かすための技術として、扶助というものがあります。簡単にいえば、馬への指示・合図です。
馬は調教によって条件反射的な反応をするように訓練をされています。
脚・手綱・舌鼓・鞭・声などです。もちろん、そこに騎座という座りも入ります。

脚にも太ももやふくらはぎとかの部分の圧迫・緩めの他に、拍車をつけての扶助もあります。

手綱も、観光乗馬でしたら停止のときは手綱を引っ張って下さいと言われますが、乗馬では手綱を強めに握って下さいとか馬の首の動きに合わせて動かしていた手綱を控えて下さいとか言われます。
手綱だけでなく、手綱を控えると同時に背中を張って下さいとか硬くしてくださいとかも言われたりします。

ですから、扶助といっても馬の反応によってはその強弱の度合いも違ってきます。

一番いいのは、いろんな引き出しを持つという事で、多様な扶助の技術を覚えることがいいのでしょうが、そこはないものねだりのようで、逆に少ない扶助の技術で考えることの方がシンプルかも知れません。

まずは、皆さんは馬を動かすことを考えます。
でも、逆転の発想をすれば、馬を動かすことの前提として、馬を停止させている状態を馬も騎乗者も覚えることがいいのではないでしょうか。
馬を昔のオートマの車(今のオートマの車は、停止状態だとエンジンが止まってしまいます)と考えたら分かりやすいかも知れません。ブレーキは停止であると同時にブレーキペダルを外すと動き出すという前提でいます。

そういう停止状態を馬も騎乗者も感じることが馬の動きを感じることに繋がるように思います。
これは完全停止ではなく、半停止とか半減脚と呼ばれるものに繋がり、馬に次の指示(扶助)がありますよと意識させるものです。
馬が次に指示(扶助)がありますよと感じてくれれば、次の扶助に対する馬の動きも反応のよいものになるはずです。

そういうことの繰り返しがレッスンの基本のような気がします。

こういう脚の使い方をしたら、手綱をこんな風に握ったら、馬の反応が違ったというのも確かにあるのでしょうが、まずは馬が次にどんな扶助があるのかを待っているような姿勢になれば、成功なのだと思います。

ですから、下手くそは下手くそなりにやる以外に方法はないような気がします。

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