金輪(かなわ)ない

BSで放送していた「鬼の住む国、日本」(こんな題だったかな)を見ていたら、能の演舞が披露されていました。

題名(曲名)が「金輪(かなわ)」と言い、夫が自分を捨てて若い妻をめとって離れていくことに対し、恨むを持った女性が生きながらにして鬼になるという物語で、不倫の代償が鬼になった妻に呪われるという、既婚者には恐ろしい話です。

物語の筋は、「夫に捨てられた女が貴船神社へ丑の刻参りをして恨みを果たそうと日参していた時に、神社の人が神のお告げだと言って女に話をします。それは<赤い着物を着て顔を朱に塗り、頭には鉄輪を抱き、そこに火の着いた三本のろうそくを立て、宇治川の底深くに潜んでいれば22日で、生きながらにして鬼になれる>というもので、女は貴船神社から宇治川までの十キロの道のりを、神のお告げの恰好をして毎日通ったのです。

映画「八墓村」のシーンでも、頭に三本のろうそくを立てた人物が登場しましたが、能の「金輪」からヒントを得たのでしょうね。

「げにや蜘蛛の絲に荒れたる駒は繋ぐとも、二道がくる徒人(あだびと)を。頼まじとこそ思いしに」
演舞の最中に女が語る言葉です。

暴れ馬でも蜘蛛の糸で絡めてつなげておくことは出来るが、気持ちが離れた浮気夫の心はどうやってもつなげておくことは出来ない、と嘆いている鬼への変身を願う女の姿はもの悲しいものです。

かなわない=敵わないと書きます。
適う=かなうで、その否定に「敵」という字を使うのもドキッとしますが、もしかしたら、この能の演舞である「金輪」から、「かなわない」ができたのではないかと浮かびました。

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