大谷翔平は儒者なり

『論語 ひろさちや+山下龍二』すずき出版。

日本はいつの時代からか儒教の考え方を導入して、庶民の日常の道徳観念を養ってきたという認識があります。
ただ、儒教を学んでいる人からすれば、日本人が、というより徳川家康が幕藩体制維持のために武士社会に広く勧めた考え・哲学は、朱子学であって、それをもって儒教の精神という事には無理があるようです。

儒教といえば「論語」ですが、これは孔子が考えたというより、古代からある考え方を整理したものであるというのが正しい見方になります。

で、その中心的な考え方はなにかというと、道を楽しむということだそうです。
その典型が、孔子は自分を認めて用いてくれる国を求めて自分の生まれた魯という国から飛び出します。吉田松陰は「こんな孔子はけしからん」と批判していたそうですが、そこが本来の儒教哲学の伝わりにくさでしょうか。

日本的な解釈だと「忠君愛国」などの発想が出てきて、自分の国を捨てて他の国に就職口を求めに行くことは邪道だと見られるのでしょうが、儒教には「忠君」などという思想がもともとないのです。
先祖とか家族とかを大事にする考え方はあるのですが、それが広がって国家への忠誠にはいかないのです。
儒教は一種のマイホーム主義とも言えるかも知れません。
家族をないがしろにして働くという猛烈社員を父親が演じたら、それは儒教が教える考えではありません。
ましてや、国家のために家族を捨てるなどはもってのほかとなります。

それでは、道を楽しむとはどうのようなものか。

《子曰く、之を知る者は之を好む者に如かず。之を好む者は之を楽しむ者に如かず》

ここには、金持ちになるとかあえて貧乏になろうとかそういう問題ではないことが書かれています。努力主義とも違います。

僕は、この文を読んで大リーグでプレーしている大谷翔平の姿を思い浮べました。
彼の成績にも一喜一憂しますが、彼自身はまさにそこでベースボールを楽しんでいます。
彼のプレーしている映像をみれば誰もが納得します。

彼はまさに儒者そのものです。

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