そもそもお金の貸し借りと云うのは六(む)ずかしいもので・・・

特別阿房列車       内田百閒 色色と空想の上に心を馳せて気を遣ったが、まだ旅費の見当がついていない。 いい折りを見て、心当たりに当たって見た。 「大阪へ行って来ようと思うのですが」 「それはそれは」 「それに就いてです」 「急な御用ですか」 「用事はありませんけれど、行って来ようと思うのですが」 「御逗留ですか」 「いや、すぐ帰ります。事によったら著(つ)いた晩の夜行…

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わたしの まちがひだった わたしのまちがひだった

草にすわる        八木重吉 わたしの まちがひだった わたしのまちがひだった こうして 草にすわれば それがわかる 『旅に出たくなる日本語』福田章著、実業之日本社刊より。 大正14年(1925)、再従兄で作家の加藤武雄の協力により、詩集『秋の瞳』を出版。 その詩集の序には<私は、友が無くては、耐へられぬのです。しかし、私には、ありません。この貧しい詩を、これを、読…

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