アメリカと民主主義と黒人と

アメリカミネソタ州のミネアポリスで起きた白人警官による黒人への暴行死事件。
20ドルの偽造紙幣使用の容疑で黒人を逮捕する際に、白人警官は膝で黒人の首を8分以上も押さえて、相手が「息ができない」と訴えているのも聞き入れず、それが原因で死んだというものです。

大規模なデモが連日が行われています。
と同時に、デモは暴動化し商店への略奪も行われました。

日本の場合、、デモの拡大とともに暴動・略奪が始まると、デモを起こす気持ちは分かるが暴動・略奪まではすべきではないと非難・批判の方向先を変えてしまうのが普通のことです。

もちろん、アメリカだって、暴動・略奪を非難・批判する人たちはいるでしょうが、そのことによってデモの正当性まで批判することはないようです。

トランプの前の大統領はオバマ氏です。アメリカ初の黒人大統領です。
今回の事件で、改めて人種差別意識の根深さに気づかされるとともに、黒人の大統領が生まれた事実に驚かされます。

白人警官の過剰反応が人種差別意識だったのか或いは拳銃が日常にある現実の緊張感があのような行為にまでなったのか、おそらくその両方が要因だったのだろうと思います。

アメリカの大規模なデモが行われていることに際し、日本のあるテレビある局は、感染症の専門家をだしてコメントを貰っています。あのような密集したデモが行われると、1日数千人規模で感染者が増えるでしょうと。

こいつらは馬鹿かと言ってやりたいですね。

コロナで死ぬだけでなく、アメリカでは今も日常的に人種差別で死んでいっているのだという事に抗議しているのです。それが何故分からないのでしょうか。

デモ行進の際のコロナ感染を言われたら、日本だと行儀が良いのだけが取り柄ですから、抗議内容よりもデモをやめてしまうのでしょうか。
日本では、自分たちで民主主義を積み上げたことがないので、どこまでも後退しそうです。

ところで、アメリカでのデモの矛先が、それまで記念碑的に建立された銅像にも向けられています。
どのような銅像なのかは今一よく分からないのですが、アフリカから黒人を奴隷としてアメリカに連れてきた人たちと関係しているようです。

そういえば、ひと昔「ルーツ」という言葉が流行りました。
これは、確かアメリカに住む黒人が自分の先祖はアフリカから奴隷として連れてこられたという事実に突き当たる話ではなかったでしょうか。

黒人を奴隷として扱うことが合法だった時代がアメリカにはあり、南北戦争で黒人奴隷は解放されたという薄っぺらい歴史しか知りませんが、奴隷だった黒人の逃亡を助ける試みもあったと本で読みました。

『再読』鶴見俊輔著。
「アンダグラウンド・レールウェイ」辞典でひけば「地下鉄」ということになるが、そうではないらしい。
それは南部の黒人をかくれてカナダまではこぶ人間のつながりで、世間にたいしてかくしているから「アンダグラウンド」なのだという。

「ハックリベリー・フィンの冒険」マーク・トウェインの話の中にも、川下の地域へ800ドルで自分を売り飛ばす主人の話を聞いて逃げ出した黒人奴隷のジムと一緒に旅をするハックルベリーの話があります。
著者マーク・トウェインは南北戦争の時に南部の兵士になるが、すぐに軍隊から逃亡した経歴があり、そのことが北軍の正義にたつことなくニュートラルな話の内容に繋がったのではないか、と鶴見氏は書いています。

話は戻りますが、デモの標的が記念碑的銅像破壊にまで及ぶことに、日本の右寄りの論者は「現代の価値観で歴史を掘り起こすな」と叫んでいます。でも、ルーツをたどれば、歴史を掘り起こすところまで行くのは当然です。

まさか、奴隷たちはアメリカまで行くことに同意していましたなんて、どこかで聞いた話にはならないよね。

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この記事へのコメント

  • ラベンダ

    本当にそのテレビのコメンテーター、馬鹿じゃねぇのかとしか思えない(怒)
    こんなに馬鹿じゃねぇのかとテレビで本気で呆れたのは、白熱教室JAPANのイラク人質事件議論での生徒達と講師以来だったかと(呆)。

    ちなみにアメリカの黒人奴隷は、クンタキンテのように人さらいで連行されたのが大半でなく、実際は17世紀、ダホメー王国(ベナン)やアシャンティ王国(ガーナ)等の現地黒人国家が領地拡大と大砲•重火器入手のために白人に売り渡した戦争捕虜奴隷が多数です。
    この歴史的事実は黒人奴隷への白人の歴史認識を複雑にしており、様々なステレオタイプと差別感情を生んでいるようです。この事実から黒人奴隷貿易と黒人奴隷の酷使は正当だったと公言して憚らない者(白人免罪論者)から、アフリカ黒人による一大文明(国家)を負の歴史を直視できない余り過小に評価する者(黒人被搾取人種論者)、白人の方がアラブ人や現地アフリカ人より人道的だったとかいう馬鹿者(黒人奴隷幸福論者)まで、様々でして。
    …あれっ? これどこぞの自称「世界に輝く偉い国」と全く一緒だぞ(笑)
    2020年06月14日 07:32