『虎を抱いて山に帰る』ツォンリャン・アル・ファン著、櫛田浩平訳。

正直なところ、今の自分では歯が立たないと言ってよい本です。

太極拳が道教のお坊さん?(オルガナイザーと言うべきかな?)が最初は護身用として作ったと読んだことがあります。それを信者である富裕層に広めたので、最初、太極拳はお金持ちの武術と言われたそうです。
太極拳と言う名前は道教の側がつけたのではなく、周囲からそう呼ばれ、後々自分たちも名乗るようになったようです。

【道教】どうきょう・・・広辞苑より
中国漢民族の伝統宗教。黄帝・老子を教祖と仰ぐ。古来の巫術や老荘道家の流れを汲み、これに陰陽五行説や神仙思想などを加味して、不老長生の術を求め、符呪・祈祷などを行う。後漢末の五斗米道(天師道)に始まり、北魏の寇謙之(こうけんし)によって改革され、仏教の教理をとり入れて次第に成長。唐代には宮廷の特別な保護をうけて全盛。金代には王重陽が全真教を始めて旧教を改革、旧来の道教は正一教として江南で行われた。民間宗教として現在まで広く行われる。

この本の著者は、道教と太極(拳)と禅、瞑想もひとつながりのものとして扱っています。
広辞苑の説明では、道教が後に仏教の教理もとりいれたとありますので、それは変質と言うべきなのか改革と呼ぶべきものなのかは意見が分かれると思います。
もともと、東洋の思想ではイデオロギーの対立を経ずに相手を飲み込んでしまう傾向があり、対立軸をうやむやにすることで思想が広がりを見せたような錯覚をもって改革などと呼んでいます。

この本では、日本の合気道も柔道も空手も、太極拳から生まれたと主張しています。
「日本で生まれたこれらの動きと自己統一の形式はみな太極が非常に洗練されてできあがったものなのです。それらは中国から日本に伝わった禅が発展したものと言えるものなのです。禅仏教はヒンズー教の神秘主義と中国の道教が合わさって生まれたものです」

正直ここまでくると、本当なのか違うのかを判断することができません。
もちろん、中国四千年の歴史があり、日本の仏教も朝鮮半島を経由して伝わったものですから、どっちが最初かと言えば中国が最初ですが、仏教にしても日本に伝わってからは鎌倉仏教と言われるように日本的変質というか化学変化を見せています。

仏教にしても、インドに始まった原始仏教が、官僚制度極まる中国でブッダの階級制度が確立したと言えますし、中国では仏教が民衆を開放する思想にはならなかったと言えます。

ようやく近代社会から現代社会を迎え、市民という個々人が生まれたことにより、支配者の統治思想の一つであった道教が統治思想から自由になり、身近なものになったのではないでしょうか。

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