山田さんが死んだ

山田さんは、同じマンションに住む方です。

もう十年近く前にマンションの理事になった時(順番制と言いながら、一番初めの理事をやったのに他の人よりも早く回ってきました。後で調べると他の階の人が対象だったのに、当時の前理事長が勝手に組んだようです)、一緒に理事になった人です。

理事会の役員は、監事を含めると6人から7人なのですが、一人は引継ぎの段階になってやれませんといい(本当は引継ぎをする役員が次回の役員当番の方に確認をすべきだったのに、それをしていないためのドタキャンです)、もう一人は山田さんです。

なにせ、年長者だからと理事長に選んだ方が、筆記具を持たずに理事会に出て来るような感覚なので、人数が足りませんので無理くり山田さんには監事をお願いし、なってもらいました。

当の山田さんは、いつ会ってもお酒を飲んでいる方です。60代後半ではなかったでしょうか。
山田さんと同じ共用玄関の方は、いっつも寿司折をぶら下げて酔っ払いながら帰ってくる姿を見て「レレレのおじさん」みたいと言っていました。

この山田さん、役員の任期中に、介護ヘルパーのお世話を受けることになりました。

この間の事情は、以下の通りです。
山田さん宅の玄関先に新聞が溜まっているのを見た新聞配達員が管理人さんに知らせてくれて、管理人さんが急遽山田さん家への訪問をしたのです。
その際に、家の中にある焼酎の大ペットボトルがいくつも散乱していたらしく、ちゃんとした食生活をしていないのではと管理人さんから報告がありました。

それを聞いて、改めて管理人さんと僕とで訪問したのですが、介護サービスの方にも同行を願いました。

介護サービスの方は、家の中の状態や本人の態度を見て、早めに親族などに相談することを本人及び僕らに勧めました。

理事役人としての僕は、弟さんに連絡することを山田さんに承諾してもらい、連絡をしました。

弟さんが兄である山田さんの家に入り、通帳などを見た結果、近くのお寿司屋さんの娘さん(当時40代くらいの)の子供をサポートしてあげるなどと言って、入れあげていたというのです。

山田さんは、現役のサラリーマン時代は海外勤務などの経験もある方のようで(家にそんな写真もあり、本人もそんな話をしていました)、退職金も3000万円以上もあったらしく、それがもう通帳には全然無くなっていたと弟さんが僕に電話で恨み言をいいます。

弟さんから30分以上も電話でそんな話を聞かされました。

まあ、独身でお金の不自由ない人が、近くのお寿司屋さんに行って、気が大きくなって、そこの子供に俺がサポートをしてあげるよと言うのも分かるような気がします。
それだって、本人のお金ですから、どう使おうと、弟さんが恨みつらみを言う理由はないのですがね。

そうやって始まった介護サービスですが、役人の任期は2年なので引継ぎの際にはその旨を話したのですが、役員になる人はどうも入居者の安否のことは関心事ではないようです。

65歳になって、関心事を自分に向け始めた矢先に、山田さんは死んじゃいました。

あの弟さんはそれからどうしたのか、僕は役員ではないので分かりませんが、介護サービスを受けたことは山田さんにとってはよかったのではと思います。

合掌

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