アンジェリーナ

つい先日、図書館に本を返しにいったついでに借りてきた本の題名です。
『アンジェリーナ 佐野元春と10の短編』小川洋子著、角川書店刊。

次の本をネット予約していなかったので、その場で本を探して借りようと思って借りたのが、上記の本と『札幌の自然を歩く』(宮坂省吾・田中実・岡孝雄・岡村聡・中川充【編著】)北大出版会。『札幌の歩こう!地形と地質』前田寿嗣著、北海道新聞社刊。の合計三冊。

アンジェリーナ 作詞・作曲/佐野元春

シャンデリアの街で眠れずに
トランジスターラジオでブガルー
今晩ひとり 情熱だけほえて
ジェームス・ディーン気取りの
ティーンエイジ・ブルース
ネオンライトに誘われて
ささやく夜の小鳥たち
ブルル・・・エンジンうならせて
夜の闇の中 消えてゆく

オー アンジェリーナ
君は バレリーナ
ニューヨークから流れてきた
淋し気なエンジェル
今夜も愛をさがして
今夜も愛をさがして
今夜も愛をさがして

サーキットシティ駆けぬけて
星のささやきランデブー
車の窓から身をのりだし
街角の天使にグッドナイト・キス
プロムナードに たむろしてる
望みを失くした ポップコン・ガール
今晩 誰かの車が来るまで
闇に くるまっているだけ

車のエンジンを止めて
シートに深く身をうずめ
曇ったガラスを 指でぬぐい
お前の夜に話しかければ
街のため息も 色あせて
ひとりぼっち 雨の中
フッと迷ってしまいそうな時でも
二人でいれば 大丈夫だぜ

小川洋子さんは佐野元春のファンだそうです。
それでというか、この企画が持ち上がったそうです。

曲のイメージから短編小説を作ることはそれほどの苦行でもないと想像します。特に好きな歌手の曲であれば、そこから紡ぎ出されるイメージは、意外と心地よいものかも知れません。

特に、小川洋子という作家の作品には、時代も地域も或いは国も曖昧模糊としたものがあり、そこには作品世界が作り出す現実が真実でありそれ以外何物もないという確固とした信念が読む者に伝わってきます。

そこはいわば職人の世界そのものであり、職人が作り出す世界にお邪魔するように作品に接します。

>遠くから電車の近づく音が響いてくると、それを合図に暖かい風が一筋、僕の足元を通しすぎていった。
 そんなふうに地下鉄の風に吹かれる時、僕はしばしば幼稚でささやかな想像をしてしまう。

 電車が一台、自分の前に停まり、僕の前の扉だけが静かに開き、きれいな女の子が姿を見せる。「あなたをお迎えに来ました」

 そんな妄想のような、幼稚な想像をしていたら、隣の椅子に置かれた小さな品物に目がいった。バレーのトウシューズだった。

そんな感じで始まる短編です。もちろん、トウシューズの持ち主はアンジェリーナ。

なんかカッコイイね。

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